• 小宮山剛

特集「ミツバチのささやき」

最終更新: 2020年5月20日

 8月です。八月です。はちがつです。ハチガツです!


 気温も絶好調な8月、海が恋しい8月、夏休みな8月、といろいろ考えましたが、8月の特集は「ミツバチ特集」としてみました!


特集「ミツバチのささやき」

 「ミツバチのささやき」というタイトルはもちろんビクトル・エリセ監督のスペイン映画El espíritu de la colmenaから。DVDがあれば一緒に置きたかったのですが・・・いつかどこかのホテルで観た以来、再観賞できていないですね・・・。ビクトル・エリセ監督の作品はその他El Surしか知らないな・・・と思っていたのですが、なんと長編映画は3作のみなんですね。寡作な監督ということを全然知りませんでした。同じくスペインで有名なアルモドバル監督とは正反対とも言えます。



 さて、そんな「ミツバチのささやき」特集の内容は・・・


「ミツバチのささやき」特集の中身

  ①『ハチミツとクローバー』全巻 / 羽海野チカ

  ②『蜜蜂と遠雷』 / 恩田陸

  ③『沈黙の春』 / レイチェル・カーソン


①『ハチミツとクローバー

 言わずもがな名作、と言いつつ身の回りにはファンが少ない気がしていたので、是非ともおすすめしたい漫画でした!ちなみに僕は竹本くんのようになりたいと思いつつ、けっきょくピュアにはなれず真山みたいな自己憐憫をかかえたオトコになってしまっている・・・ということでけっこう真山推しです(笑)

 嵐の櫻井翔さん主演で映画化もされた『ハチミツとクローバー』。これを観て思わず鎌倉の海まで自転車で走ったりしちゃいましたもんね。あぁ、しょっぱいねセイシュン。あの頃はもうちょっと竹本くんに似ていたかな・・・(令和元年、29歳になるコミヤマ)。


②『蜜蜂と遠雷

 養蜂家のもとに生まれた天才「風間塵」の魅力についつい引き込まれる一作。恩田先生といえば『夜のピクニック』というロング・ウォーカー小宮山でしたが、直木賞・本屋大賞をダブル受賞したこの一作のおかげでさらに恩田陸さんのことが好きになりました。

 是非とも『蜜蜂と遠雷』を読むときは、作中で流れている音楽を実際に流しながら読んでみることをおすすめしたいですね。

 2019秋には石川慶監督がメガホンをとり映画化されるという『蜜蜂と遠雷』。主演の栄伝亜夜役は松岡 茉優さんということで期待大、小宮山大好き松坂松坂桃季さんが明石役ということで期待大大大ですね!


③『沈黙の春

 実は、レイチェル・カーソンが著したクラシックであるこの一冊こそ今回の特集のメインなのです。カーソンが言う「沈黙」とは、まさにミツバチの羽音がしない春のこと。農薬の過剰利用によってミツバチ、他の魚や動物たちが死滅した、音のない春のことです。

 当時は農薬として平気で使われていたDDTの脅威を書いたとして有名な『沈黙の春』ですが、映画『ツリー・オブ・ライフ』ではDDT散布車の後ろを子どもたちが追いかける場面なんかもあって、農薬に対する考え方を根本から変えてしまった一冊なんだなということがよくわかります。(DDT配合の石鹸なんかもあった・・・?)

 私は大学生になった2013年に『沈黙の春』(1962年初版)をはじめて読んだわけですが、同作が出版されてから51年後に「にぎやかな春」を迎えられるということの幸せに満ち溢れたことを覚えています。いまこの世の中で「ミツバチのささやき」を聴くことができるということ。その幸福の大切さを教えてくれる一冊です。





 しかしながらDDTは今も、農薬としては使われていませんがマラリアの感染対策のためにハマダラ蚊の防除に限って使用が認められています。さらに今日の宮崎県下においては無人航空機を利用した農薬散布の問題が取りあげられるなど、その根本を知っておかなければならない事象が今まさに起きているのです。

 カーソンを読んで農薬反対!ということではなく(『沈黙の春』でも、農薬との同居する方針を探る「ほかの道」が示されています)、こうした古典から学び、実生活に役立つ更なる知識をつけていくことが必要です。本当はもっと自然環境やミツバチ、農薬に関する本を揃えなければいけないのですが(もちろん、農薬の有用性についても勉強しなくてはなりません)、小宮山個人の本棚ではなかなか難しいところです。


 しかしながら、図書館であればそれが可能です。古典に学び、今の時代を生きる知識を蓄えることができる。図書館にはそのことが可能なのです。図書館は、くらしの役に立つのです。


 今回の特集「ミツバチのささやき」は、自然豊かな椎葉に暮らすからこそ読んでおきたい一冊、椎葉に暮らすからこそできる本の使い方を示す、そんな機会になればと思っています。分厚くてとっつきにくい一冊ではありますが、夏の夜長に『沈黙の春』をながめるという粋な過ごし方はいかがでしょうか?

ミツバチのささやきを聴くことができる幸せ

 「クリエイティブ司書特集」は宮銀跡地のテレワークセンターに設置しております。どうぞお気軽にご利用くださいませ。


椎葉村地域おこし協力隊 クリエィティブ司書 小宮山剛

28回の閲覧0件のコメント